
長引く(なかなか治らない)咳
呼吸器専門外来において、患者さんの最も多い症状は咳(咳嗽)です。しかし忙しいからと我慢してなかなか病院に受診できず、2カ月くらいしてようやく受診してくる患者さんも珍しくありません。
咳といえどその原因は様々です。咳止めを服用しても止まらない咳は、患者さんのみならず医者にとっても頭の痛い問題です。自然に軽快するいわゆる感冒が原因の咳から、肺癌や結核、肺炎などの命に係わるものまで多岐にわたり、漫然と咳止めを続けるだけではよくありません。
咳嗽の分類と原因
咳は持続時間によって急性(3週間以内)、遷延性(3週間から8週間)、慢性(8週間以上)に分けられます。
急性の咳嗽をひきおこす原因の多くは、ウイルスや細菌などの病原体の感染症です。感染が原因で起こる咳嗽を感染性咳嗽といいます。感染性咳嗽はさらに、抗菌薬などを要する活動性感染性咳嗽と微生物がすでに排除された後の感染後咳嗽に区別されます。感染後咳嗽は咳が長引き、遷延性咳嗽の原因となります。マイコプラズマや肺炎クラミジア、百日咳なども遷延性咳嗽の原因です。
8週間以上続く慢性咳嗽では、感染が原因ではない疾患が多くなります。慢性咳嗽の原因の約半数は咳喘息~気管支喘息で、次いでアトピー喘息と呼ばれるアレルギー性の咳嗽が多くなります。
その他の原因としては、副鼻腔気管支症候群(慢性の副鼻腔炎+下気道炎)や逆流性食道炎があります。
このように一言で『咳』といっても、様々な原因がありそれによって治療も変わってきます。
咳がひどいと十分な睡眠がとれず、体力の消耗が激しくなり体調の悪化を招きますし、場合によってはろっ骨の骨折をおこしたりすることもあります。
2~3週間たっても改善しない場合は、早めに受診することをお勧めします。