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COPD(肺気腫と慢性気管支炎)

COPD(肺気腫、慢性気管支炎)

どんな病気?

COPD(肺気腫、慢性気管支炎)COPDとは、Chronic(慢性)Obstructive(閉塞性)Pulmonary(肺)Disease(疾患)の頭文字をとった略称です。
タバコの煙や大気の汚染物質の長年にわたる吸入により気道や肺が炎症を起こし、慢性的な咳、痰、体動時の呼吸困難が生じる病気です。日本では9割以上がタバコ煙の吸入によるもので、そのほとんどが喫煙者(あるいは過去に喫煙していた方)に起こりますが、受動喫煙でも起こります。わが国では700万人以上の患者さんがいると推定されていますが、診断され治療を受けている人はわずか26万1千人といわれています。(2016年厚生労働省調査)それ以外の方は、年だからとかタバコを吸っているからとやり過ごしていることになります。
タバコ煙の吸入による肺の炎症の結果、気流閉塞(気管支が狭くなり、息を素早く吐き出せなくなること)をおこし、これが息切れの原因となります。この炎症は肺にとどまらず、全身に広がっていくことが知られています。つまり体重減少や筋力低下をおこしたり、心筋梗塞、脳卒中、骨粗しょう症、糖尿病、うつ病などにかかりやすくなるといわれています。
したがって早い段階で診断をし、禁煙はもちろんのこと、吸入薬などの治療を早期に開始することが予後を改善することにつながります。

どんな検査が必要なの?

診断はスパイロ(呼吸機能検査)やCT撮影などで、難しい検査はありません。低酸素血症(酸欠状態)の程度を見るために、パルスオキシメーターや血液ガス分析を行います。階段や坂道で息切れを感じる場合は、早めの受診をお勧めします。

どうやって治療をするの?

①禁煙
喫煙中の方はまず禁煙することが先決です。禁煙外来で禁煙補助薬を使えば、比較的スムーズに禁煙ができます。
②薬物療法
主な目的は気管支を広げて呼吸困難感を軽減し、呼吸機能の低下を遅らせることです。このために用いられる薬は吸入薬や経口薬、貼付剤などがあります。
吸入薬には短時間作用性気管支拡張薬や長時間作用性抗コリン薬、長時間作用性β2刺激薬、吸入ステロイドなどがありますが、病気の重症度や合併症の有無(閉塞隅角緑内障、前立腺肥大症など)により適切に選択します。
③酸素療法
酸素療法の詳細につきましては、『在宅酸素療法』のページをご覧下さい。
④呼吸リハビリテーション・栄養管理
COPDの患者さんは動くと息切れがするために、あまり動きたがらずに非活動性になりがちです。そうすると筋肉が委縮し、呼吸困難が増していく悪循環となります。可能な限り機能を回復あるいは維持させて患者さん自身が自立できるようにするために、呼吸リハビリテーションは薬物療法に加えて行うことで効果があります。
また中等症から重症のCOPD患者さんでは体重減少が認められており、栄養管理は大事な治療の一つです。

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