禁煙外来
日本人では、20歳前に喫煙を始めた男性は非喫煙者と比べ、およそ8年寿命が短くなり、女性は10年寿命が短くなるといわれています。様々ながん、呼吸器疾患、脳梗塞、心筋梗塞の発症について、タバコを吸う人はもちろんのこと、ご家族の受動喫煙でもリスクが高まることがわかっています。いつかはタバコをやめたいと思っている方も少なくないと思います。
禁煙は、言葉でいうほど簡単ではないことも事実です。しかし禁煙治療が保険適応となって、ニコチンパッチやチャンピックスが使えるようになったころから長年禁煙指導に携わってきましたが、ずいぶん禁煙しやすくなったというのが実感です。70%以上の方が禁煙に成功しています。
しかし問題は禁煙外来を卒業してからの再喫煙です。以前のタバコ仲間からのお誘いの一服がきっかけで、元に戻ってしまうケースが少なくはありません。でもタバコをやめられた人で後悔した人はいまだかつて見たことがありません。(タバコを吸ってきたことを後悔した人はたくさん見てきました)
当クリニックでは長年の経験に基づいて、皆さんの禁煙を支援していきたいと考えています。
禁煙外来(保険治療)を受けられる患者様へ
禁煙外来では、12週間に5回の禁煙治療に対して、健康保険が使用できます。
初診の場合、電話あるいは直接来院での予約が必要です。再診は下記のプラグラムにしたがって、来院していただくことになります。
- 5回診察の合計費用
- 初診料+再診料+ニコチン依存症管理料+院外処方箋料+薬剤費
・ニコチネルTTS(貼付剤) 3割負担の場合 おおよそ1万2,000円
・チャンピックス(内服薬) 3割負担の場合 おおよそ1万9,000円
禁煙外来(保険治療)のプログラム
禁煙外来初診時に行うこと
- 1
- ニコチン依存症・喫煙歴・禁煙歴のチェック
問診で質問票にチェックをしていただき、保険診療の適応があるか確認します。
- 2
- 一酸化炭素濃度の測定
あなたの息に一酸化炭素(たばこに含まれる有害物質)がどれくらい含まれているか測定します。
- 3
- 『禁煙開始日』の決定と禁煙宣言
お医者さんと相談しながら、あなたの禁煙開始日を決定し、禁煙宣言書にサインをしてもらいます。
- 4
- 禁煙補助薬の選択
禁煙補助薬の特徴と使い方の説明を受けて、あなたに合った薬を選びます。
- 5
- 禁煙がスムーズにできるためのアドバイス
ニコチン切れの対処方法など、あなたに合ったアドバイスをします。
禁煙補助薬
ニコチンの離脱症状を抑えて、禁煙を補助してくれるお薬
禁煙外来では以下の注意点を考慮して、禁煙補助剤(チャンピックスかニコチネルのうちどちらかを選びます。
- ①バレニクリン(飲み薬)
- 注意が必要な人:精神科・心療内科に通院治療中の方。(妊婦に対する安全性は不明です。)
服用中の12週間は、車の運転ができません。
- ②ニコチンパッチ(貼付剤)
- 注意が必要な人:急性心筋梗塞、重篤な狭心症や不整脈のある方。脳卒中を起こして間もない方。
皮膚のかぶれやすい人は、皮膚のかぶれやかゆみで続けられない場合があります。
- ③ニコチンガム(バレニクリンを服用する人は併用できません)
- 注意が必要な人:急性心筋梗塞、重篤な狭心症や不整脈のある方。
薬局で購入できます。
禁煙持続期間 | 再喫煙率 |
---|---|
6か月 | 58% |
1年 | 47% |
2年 | 36% |
5年 | 26% |
10年 | 19% |
2年を目標に禁煙の意識を持ち続けること大事です。
タバコを買ったつもりで2年間も貯めれば、相当な資金ができます。
420円×365日×2年=30万6600円
楽しみながらニコチン依存症を克服することが成功のコツです。